■京都外国語大学について
どの大学も、上位層と下位層の差はみられますが、外大はその傾向がより一段と見られます。一般的に、大学に入ってからの努力の差が、成績の差となって表れるケースが多いのですが、外国語学部など専門的なことを学ぶ大学では、偏差値に関係なく受験する上位層がいることもあり、入学の時点で、かなりの差が見られることがあります。
その傾向は、京都外国語大学が最も顕著かもしれません。京都外大に関しては、質の高い生徒とそうではない生徒の差が、他大学に比べて激しい印象があります。外国語学部はもちろん、国際貢献学部においても、得意な外国語を駆使し、国際機関で働くことを夢見る学生もいます。外国語や国際貢献を志す生徒は、学歴よりも、検定などの実際に持ち合わせる力が重要ですからね。その反面、遊びに来ただけのような学生を目にすることもあります。京都外国語大学に限らず、外大は他の学部に来れば授業料が高い場合が多いので、しっかりと勉強してもらいたいものです。
■京都外国語大学のAO入試について
京都外国語大学のAO入試ですが、大きく分けると4つのパターンに分けることが出来ます。ここではその4つを1つずつ細かく解説していきます。
①自己推薦AO入試
これは高校での活動の取り組みを評価するものです。資格、スポーツ、ボランティア経験などが評価されます。試験では小論文と面接が行われ、活動実績(50点)、小論文(50点)、面接(50点)、これら3つの合計点で合否が決まります。
出願資格:英語資格(CEFR:A2以上) 英検準2級で出願可能です。
英語の評定が3.5以上
試験内容:活動実績(50点)+小論文(50点)+面接(50点)
対象学部:全学部
②英語検定型AO入試
これは、持っている英語資格によって加点の幅が異なるAO入試です。出願条件には英語資格の記載はありませんが、英検準2級の受験生と2級の受験生では加点幅が異なり、当然2級を持っている受験者が合格しやすい入試制度になります。試験では小論文と面接が行われ、書類や英語資格(100点)、小論文(50点)、面接(50点)、これら3つの合計点で合否が決まります。
出願資格:特になし
試験内容:書類や英語資格(100点)+小論文(50点)+面接(50点)
対象学部:全学部
③プレゼン型AO入試
これは、小論文ではなくプレゼンを行う試験になることが特徴です。また、プレゼン型AO入試は3つに分けれますので、それら3つの違いも説明します。
A・・・外国語(外国語学部のみ対象)
B・・・Community Engagement(国際貢献学部のみ対象)
C・・・関連産業(関連産業の後継者であり、国際貢献学部のみ対象)
出願資格:特になし
試験内容:書類や英語資格(100点)+プレゼン(50点)+面接(50点)
対象学部:方式により異なる
④体験授業型AO入試
まず、オープンキャンパスで模擬授業を受け、英語でレポートを提出しなければなりません。そこで模擬面接を受けるとエントリーシートがもらえます。このエントリーシートを手にした受験生だけが、この体験授業型AO入試に出願することが出来ます。
2019年度オープンキャンパス日程
6/14, 8/2, 8/3, 8/4, 9/1
*事前予約が必要
試験日程
A 出願(9/9-9/18) 試験(10/13) 合否発表(10/19)
B 出願(10/18-10/25) 試験(11/16) 合否発表(11/23)
C 出願(1/6-1/10) 試験(2/6) 合否発表(2/10)
出願資格:特になし
試験内容:面接(50点)
■もっとも合格しやすいのはどれ?
京都外国語大学のAO入試は、1小論文型、2プレゼンテーション型、3小論文型に分けられます。それらの中でもっとも合格しやすいのは、やはりプレゼンテーション型になります。
それはなぜか?プレゼンテーションは準備したことを発表できるので、塾としてはやりやすいのです。もちろん小論文も準備は出来ますが、書けるかどうかは生徒次第。つまり、準備したことがそのまま出しやすいのはプレゼンテーションですから、塾の先生としてはプレゼンテーション型AO入試をお勧めしたいのです。
■京都外大Community Engagement入試
京都外大のプレゼンテーション型AO入試には、Comunity Engagement特別入試というものがあります。この入試を知っている人はかなり少ないのではないでしょうか。通常の自己推薦AO入試と何が違うのか、どういった点がおいしいところなのかを、細かく解説していきます。
京都外大のAO入試の1つであるこのCommunity Engagemen入試は、現役生でも浪人生でも出願でき、出願条件には評定も英検も必要ありません。ですがただ1点、必要なものがあります。それは、国際ボランティア活動や、社会貢献活動を行ってきたものということです。
国際ボランティア活動といっても、海外に行った経験がなくても構いません。日本国内でも、国際関係のボランティア活動を行っている団体はいくつかあります。また、社会貢献活動でもいいわけですから、こうした活動に取り組んできた経験がある生徒にとっては、出願を考えると良いでしょう。
■Community Engagement入試の倍率と出願時期
この入試のおいしいポイントは2つあります。まず1つ目は、受験者数が少なく倍率が1倍であることです。詳しくは、このページの下にある倍率表を確認してください。
もう1つのおいしいポイントは、実施時期です。ます出願は10月中旬から下旬にかけて、そして試験は11月中旬となっています。つまり、他のAO入試を受験し、最後のすべり止めで受験するということが可能なのです。通常のAO入試はチャレンジ校を受験し、滑り止めで京都外大を確保しようという作戦をとることも可能なのです。
■Community Engagement入試の試験内容
まずは事前提出書類の準備です。といってもそれほど多いわけではなく、提出する書類は800字程度の志願理由書だけになります。
実際の入試ではプレゼンテーションと面接を行います。グローバル・スタディーズ学科では英語のプレゼンを、グローバル観光学科では日本語でのプレゼンを行います。プレゼンではPCの持ち込みは出来ず、当日、紙に印刷したものを持参し、それをもとにプレゼンを展開します。
プレゼンの後は面接になります。面接内容はプレゼンに関することや、志願理由書を元に行われます。面接は比較的穏やかな雰囲気ですすみます。この入試が行われているのは国際貢献学部だけになります。国際貢献学部には2つの学科がありますが、グローバル・スタディーズ学科では英語のプレゼンを、グローバル観光学科では日本語でのプレゼンを行います。また、この入試は専願制だということにも注意が必要です。
■願書取り寄せについて
近年、AO入試の願書をHPからダウンローで出来る大学が増えています。しかし、京都外国語大学の場合、願書を申し込まなければなりません。郵送ですから数日かかります。また、その申し込み画面がわからないという声もよく聞きます。確かに分かりにくいので、HPをよく見る必要があります。
■京都外国語大学の偏差値ランクについて
関西には関関同立、産近甲龍と呼ばれる大学群が存在し、京都外大はそれ以下だと評価する人がいます。しかしそれは昔の話です。グローバル化が急激に進む中、全国的に外国語学部や国際関係の学部の偏差値は上昇しています。京都外大は長らく外国語学部のみの単科大学でしたが、2018年に国際貢献学部が誕生しました。つまり、近年偏差値が上昇している2つの学部しか持たないことが、京都外大のランキングを押し上げることになりました。
以下に示したのは、産近甲龍と京都外大の比較です。京都外大の偏差値は産近甲龍に追いついたといえ、学部や学科によっては京都外大の方が上回っているところもあり、今後グローバル化が進めば、京都外大が産近甲龍と同等、あるいはそれ以上と評される日が来てもおかしくはありません。
ベネッセによる偏差値
近畿大学
国際学部:60~64
文芸学部:54~61
甲南大学
法学部:55~58
創造学部:55~57
龍谷大学
国際学部:59~63
社会学部:55~59
京都産業大学
外国語:53~61
国際関係:54~56
京都外大
外国語学部:48~57
国際貢献学部:56~59
■2019年度AO入試倍率
■2020年度AO入試受験予定者へ
2019年度入試の倍率を掲載しましたが、AOもCommunity Engagement入試も、前年と比べると厳しくなっています。この流れは2020年度入試でも続くかと思われます。AO入試だからといって倍率が1倍程度だと考えないほうが良いでしょう。
2019年秋に受験予定の場合、併願先をいくつか用意しておいたほうが良いでしょう。例えば同じ外国語や国際関係を希望している場合は、立命館アジア太平洋大学(APU)が候補になります。APUはAO入試でも併願が可能ですので、京都外大が第一志望の場合でも問題ありません。ですが確実に合格しておきたい場合は、神戸学院や京都橘なども候補に挙がってきます。こうした併願先も含め、受験プランを練り上げるようにしましょう。
■AO入試対策夏期講習